社会福祉法人思恩会

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地域小規模児童養護施設 所長Sさん

プロフィール
平成5年に入職、30年にわたり児童養護施設七窪思恩園に保育士として勤務。
現在、地域小規模児童養護施設「ひなた」「あやめ」所長。スラムダンクが大好き。

仕事に就いたきっかけ実習をきっかけにUターン就職を決意

当時、山形の短大で保育士になるために学んでいて、保育園への就職を検討していたところ、たまたま自分の地元にある七窪思恩園で実習を行うことになりました。もともと鶴岡にこの施設があることは知っていましたが、実習でお世話になって初めてその役割や実際の子どもたちの暮らしなどを知り、ご縁をいただいて鶴岡へのUターンを決意しました。

現在のお仕事はどんな仕事?子どもたちと共に過ごして、支える仕事

様々な事情から親と一緒にいられない子どもたちが暮らす施設で、家族のように身の回りのサポートをしたりして、毎日を共に過ごすお仕事です。食事の支度から掃除や洗濯など日々の家事からはじまり、学校とのやりとりや行事への参加なども対応します。また、成長過程にある子どもたちが相手なので、いろいろ話をしたり相談にのったりなどのコミュニケーションもケアとして大切な仕事になってきますね。

仕事でこころがけていること体調と心の管理、職員間のコミュニケーションを大切に

こどもたちと一緒に過ごすのはとても楽しいです(笑)。もちろんいろいろと大変なこともありますし時には厳しい局面もあります、でもそれはご家庭と一緒ですよね。

気を付けているのは、自分の体調や精神面をしっかり管理することです。職員が健全でないと子どもたちに悪影響を与えかねないので、行動や振る舞いをしっかり見せることを大事にしています。そのためにも、プライベートの時間には仕事を持ち込まないようにし、体力的にも、精神面でも割り切るようにしています。交代勤務での引継ぎもあるので、職員間でも話しやすいように、何でも言えるような職場環境を維持するようにしています。一人でかかえない事がとにかく大切ですね。

仕事をしていて学んだことあきらめず、辛抱強く接すること

ある女の子との関わりで、突然話ができなく無視されることがありました。何か月も担当しているのに口を聞いてくれなくて、かなり凹んだんです。当時は若かったので辛かったですね。結局原因が分からず、時間が経過することで自然にまた会話ができるようになりました。ほかの職員とも相談しながらあきらめず根気強く声をかけて接触をしてきたことで心を開いてくれたんです。今振り返れば、時間が必要だったのかなと思いますが、返事を求めず期待もせずに普通に接することが何より大事と、大きな学びに繋がりました。

仕事をしていて良かったこと大人になってからの感謝の言葉に感動

長年勤めていると七窪思恩園を退所して大人になった方も多くいます。そんな方が時々連絡をくれたりして、ここが実家だとか、私を家族のように感じてくれて感謝の言葉をかけてくれることがあります。その時は、心から「やっててよかった!」と思いますし、思わず涙が出てくるほど嬉しいですよ。

これからの仕事後輩に伝えていくこと、良い職場であり続けること

自分の経験してきたことを後輩にいかに伝えていくかを考えています。私も失敗や大変だった時は、先輩たちにたくさん助けてもらいましたので、感謝の気持ちをもって取り組みたいです。また、これまで仕事をしていて、とにかく楽しい職場だったことがここの良いところ、これからの人にもそういう職場であり続けたいと思います。

児童福祉は、答えや正解というのが見えにくい仕事で、都度都度考えて対応していく世界だと感じています。卒園したあとの子どもたちの生活を見据えて、今できることを一生懸命やる。必ず伝わっていると信じて、これからもしっかりと取り組んでいこうと思っています。

就職活動中の皆さんへのメッセージ

児童養護施設に興味がある方、ぜひボランティア等でもよいので、見に来てください。なかなか見えにくい施設でもあるので、現場に来てもらうとよくわかると思います。気軽に声をかけていただけたらと思います。